東洋大学の森田先生が、「シングルマザーの子育てアンケートに関する調査結果の考察」をおまとめになっています。選択的シングルマザー希望者への精子提供後の支援のあり方について、参考になりそうなので勉強してみました。2003年度の成果物のようです。

全文はこちらです


「本調査は、シングルマザーとその子どもたちが生きやすい社会を目指して、シングルマザーの子育て状況の実態を把握し、困難な状況にあるシングルマザーが子育てしやすい社会的環境を作るための提言を行うための基礎資料とすることを目的として実施したものである。
調査は、郵送およびインターネットによる調査票の配布と回収という方法をとり、有効回答数は、総計277票であった。」

1.仕事と収入
・82%が働いている
・常勤が43%、派遣・契約が18%、パート・非常勤が29%
・働いていると答えた人の年収は、平均値が253万円、最頻階級数は100万から150万と150万から200万円台(ともに17%)

※別の調査では平均値170万円台だったかと。いずれにせよ月収10〜20万円が一般的のようです。

2.生活費について
・88%の人が自分で働いて得た収入を充てている
・子の父からの養育費を得ているものは31%
・蓄えを取り崩す人が27%
・親・親類からの支援を得ているという人が23%
・児童扶養手当など公的支援をうけているものは62%
・子どもについてひと月にかかるお金は、平均値は学校教育費が8,666円、保育料が12,123円、塾・おけいこなどにあてる費用が11,254円、学資保険などに充てられている金額が8,624円などとなっており、「子どもとの生活を可能にするために、精一杯働き、やりくりしている状況」

3.子育てのこと
(1) 母子家庭で働きながらの子育て
・母子家庭での子育てをどちらかといえば肯定的にとらえている

※「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。」梁塵秘抄にこんな一文がありましたね。子どもとは本当に可愛いものです。

(2) 末子が0歳から入学前の場合
・乳幼児期の子どもを育てている親の場合、公立など認可保育園に預けられない時には、どこに子どもを預けるかということに悩む

※子育て支援系のNPOさんの力が必要です。

(3) 末子が小学校入学年齢以上の場合
・小学校以上の子どもを育てている親の意見としては、「保護者会と仕事が重なってしまう」がもっとも多く、32%を占める
・「宿題をみてやる時間がない」という人が26%、「持ち物・提出物が多くて追いつかない」が12%、「持ち物・提出物の通知が急である」が15%など、仕事をしながら1人で子育てをしていくときの時間のやりくりが非常に難しいことが顕著

(4) 子どもの「自立重視」の子育てと親族支援
・「他人に迷惑をかけないしつけをする」ことを約半数の母親たちが子育てで大事にしてきた

(5) 母親たちのリフレッシュ
・子育て中の親のリフレッシュは子育て支援の重要な課題

4.子ども自身のこと

5.父親のかかわり
(1) 養育費
・別れた子どもへの父からの養育費は、子ども一人平均42,916円
・支払いの約束がある程度守られているとするものは、42%
・子どもと父とのかかわりを望む母親は49%で、その理由は「子どもにとっては父親だから」が85%
・子どもと父とのかかわりを望まない人の3分の2は、「子どもの父を信頼できないから」ということを理由にあげる。「子どもによくない影響があると思うから」をあげる人も53%いる

(2) 父親不在の子どもへの影響
・「父親との関係」は、0歳から入学までの間、母子分離の難しさに次いで、第2位に位置
・自由記述欄には、父親とのかかわりで多様な悩みが記されている
・父親と子どもの面会をどのように設定するか
・子どもに父親と一緒に暮らしていないことをどのように説明
・父親が居ないと、父親像を作れないのではないか?男らしく成長しないのではないか?頼りない人間になるのではないか?大きな問題を起こさないか?
・「特に母子家庭になった当初、あるいは子どもが小さく、男性との関わりの少ない状況で、母親はこうした心配をするが、母子家庭の生活が安定し、子どもが大きくなり、家庭から学校、学童、近隣へと生活圏を広げるに従って、このような心配が低減していくのではないかと、推察される」

※子どもが小さいうちの支援が大事なようです。

6.母子家庭になってから1年間の状況について
・母子家庭になったばかりのとき、44%の人が、蓄えをとりくずす、親・親族の支援は33%の人がうけている。公的手当てを受けている人は、そのときには40%にしかすぎない。

7.調査から考えること



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